社長ブログ
JAIMA分析展2011を終えて
- 2011-09-14 (水)
JAIMA分析展2011に出展いたしました。わが社の技術総力の発表の場です。その意味では他社の技術陣とのオリンピックです。わが社の成果を公に発表する場として最も重要視している行事であります。この大イベントに、多くの方々のお立ち寄りをいただいたことに、心から御礼申し上げます。
今回は、販売締結いたしましたアナリティックイエナジャパンとの共同出展で、ブース拡大、色調の統一、コンパニオンの起用などを行い、相互に協力を惜しまない努力の結集であったことを心から喜んでおります。その成果もあり昨年に比較して大変多くの方がわがブースにお立ちより頂きました。有難いことと感謝しております。
我が国の技術が進展することに少しでも寄与したいとしていた大学時代と、X線機器製造メーカの責任者を務める今の立場とでは、違いはありますが、X線分析装置を小型化し、世のためになり、加えて日本の技術力が向上することを期待する気持には変わりはありません。各メーカーが競い、新製品を発表し、それが我が国の科学技術の向上に寄与することができればとの願いで有ります。ましてや、今やかつて経験をしたことがない原発事故の後始末に関わるこの日本の難局に我々の技術が役立てることができるならば望外の喜びであります。
わが社は、多くの機関からの要請を受けて、原発処理に関する装置開発を担ってまいりました。その成果の一つが、この分析展2011を目指し、セシウムを検出できる装置の完成で有ります。これは、はるか昔に同様の装置開発を手がけたことがあり、そのときの経験が実を結ぶこととなりました。
この分析展には、放射性セシウムを検出できるFD-08シリーズ、そして海水にさらされた廃材中の塩素を検出できるFD-01Clを出展いたしました。放射性セシュウム検出は食の安全を確保する観点から、また塩素分析は海水にさらされた廃材の燃焼処分をする際のダイオキシンの発生を抑制する、または燃焼中に水素と塩素が反応して発生する塩酸による酸性雨の発生を抑制するのに必要であります。わが社の装置が少しではありますが、環境の保全と、食の安全を最優先にした原発の後始末処理で貢献できていることに大きな誇りを感じております。今後も引き続き社会に貢献することができる装置開発を通して、わが社の技術力の向上に努めたく存じます。なおこれらの装置に関して詳しいことはホームページをご覧ください。当日、装置をご覧いただけなかった方も、ぜひ、お問い合わせください。
さて、この分析機器展には、毎年参加しておりますが、日本国内のX線分析メーカーの方々との交流や情報交換も、一つの楽しみです。他社のブースを拝見するとご努力や開発方針などもお見受けすることができます。各メーカーのブースを訪問すると、長年従事していたための知名度と、長老としての歓迎をいただきます。優秀な営業の方々の、美辞麗句で心酔してしまいそうです。
初日終了後、ワールドビジネスガーデンマリブウエスト35階にて、ご協力をいただいた方々、アナリティックイエナジャパン関係者、ならびに弊社関係者で懇親会を行いました。ご支援をいただく嬉しいお言葉もいただきましたが、今後の課題も多くいただきました。まだまだ精度や信頼性のある数値を確立しなければなりません。
以前、大学時代に「全反射蛍光X線分析装置」の標準化(装置の測定値の信頼性基準)に携わりましたが、今まさに、セシウムにおける信頼性のある装置、測定値について、真剣に各メーカーが取り組む必要があります。幸い、販売締結を行ったアナリティックイエナジャパンでは、化学分析の専門家チームや市場調査専門家チームもあり、彼らの協力を得て、測定値の信頼性の向上、測定法の標準化などに取り組んでいく覚悟です。
まだまだ小さな弊社ではありますが、社員が一丸となって、研究に、開発に、尽力し、社会に貢献したく存じます。今後とも皆様のご指導、よろしくお願い申し上げます。
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株式会社アナリティクイエナ ジャパンとの販売提携
- 2011-08-12 (金)
しばらく、ブログをアップしていませんでしたが、皆様から「停滞してますよ」「忙しいのですか?」との声をかけていただき、気まぐれではじめたブログを読んでいただいている、と、恐縮しております。ありがとうございます。
8月1日から7日まで、デンバーコンファレンスへ出かけておりました。大学教授時代から海外で学生に発表を経験させる良い機会でもあり、30年以上続けております。しかしながら、私自身の立場(大学教授から会社経営者)も変わり、今回は、情報収集、取引や支援をいただいている海外企業との交流を深めるため、と、もちろん弊社製品の紹介もあり、参加いたしました。研究者としての立場、これは忘れたことはありません。
ところで、7月29日に発表いたしました「株式会社アナリティクイエナ ジャパンと販売に係わる業務提携」には、各所からお問い合わせをいただいております。
大学時代の研究成果を社会に還元したい思いから、起業したものの、やはり営業力というのは、企業の柱であり、ここが強くなくては企業としては成り立ちません。そんな中、すでに化学分析分野で確立されている株式会社アナリティクイエナより提携のお話をいただき、どこまで、どのように提携するのか、社内でも検討を重ねて参りました。結果的に、株式会社アナリティクイエナの販売ルートに弊社装置が加えられる、そしてそれは、弊社製品の、研究結果が広く紹介される、という頼もしいこととなりました。
提携に向けて、契約的な内容については、弊社役員、顧問弁護士など、実務的な検討は重ねてまいりましたが、ただひとつ、悩み、苦しんだことがございます。
大学時代からも、国内の物理分析メーカーから受託研究、共同研究など、日本の分析機器、物理分析の技術を確立しようとの目的で共同研究などをすすめ、また研究過程で補助金もいただきました。全反射蛍光X線分析装置は、日本が確立した技術で、標準化なども参加させていただいたことは、忘れることもできません。今ここで、海外企業の株式会社アナリティクイエナと提携することは、今まで日本で培った技術が流出するのではないか、本当に、苦しみました。
その苦悩の中で、提携に踏み切ったのは、テクノエックスは永遠に不滅であり、R&Dは限りなく日本の技術により展開するとの両社の合意があったからです。加えて、日本の優れた技術を全世界に発信したい。その機会がここにある、この提携によりできるのではないか、そう結論を出し、今後、日本の技術を全世界に紹介していくことで、日本機器分析メーカーの研究成果、繁栄を願い、さらなる日本の技術の発展、確立の一助にしよう、との強い決心に支えられました。
会社経営をしていると、ゴルフや飲み会のお誘いも多くありますが、研究者として、皆様方のご理解とご支援で、日本の機器分析技術の確立に、今後も尽力いたします。皆様方のさらなるご支援をお願いします。
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絶望からの起業
- 2011-07-08 (金)
アメリカ総領事館主催の第3回日米起業家セミナーに招待され参加してきました。
100年の歴史を担ったブラウン管に置き換わる平面ディスプレーの大事業を成し遂げた起業家ラリー・ウェーバは不屈のアントレプレナー精神で大学教授でありながら自らベンチャーを設立し、事業化に挑み、工業化を成し遂げました。セミナーでは彼の40年に及ぶ壮絶な挑戦の歴史を見ることができました。
彼は挑戦の中で何度も挫折するのかで、Never give up の精神を持ち続け、失敗を恐れず、その失敗から学び、常に可能性にチャレンジしたとのこと。成功は20分の1で有っても、ビジョンがあれば何とかなるもの。日本式 step by step ではなく、奇跡を信じて一気に飛び上がることが必要とも力説されていました。
わが社は皆様方の助けを得て、1期目は約1億5000万円の売り上げを達成し、この3月期決算での2期売上は約3億2000万円を達成しました。外から見ると順調な出だしとみられています。しかしながら、新製品開発投資など、研究開発にかける資金繰りや、資材調達のための運転資金の確保に悩まされています。この状況は彼が設立した Plasmaco Inc.の資金繰りと全く同じ状況で、その中にあり、信念に支えられて見事に会社を成功に導きました。皆様もよくご存じのように、彼の会社はのちに松下電器の資本参加を得て、松下電器プラズマコ Inc.となり、長く同社の社長として松下のプラズマディスプレー(PDP)の開発に携わり今日の松下のプラズマディスプレーの事業化の成功を導きました。
セミナーの後、しばし歓談ができる時間をいただき、わが社の現状と彼が歩んだ道程との比較議論をしました。彼はいかなる時であれ、絶望からの解を楽観的に捉えていました。時にして悲観的になりがちな我々と対照的です。あと15分で銀行からの破産申し出を宣告されるとの状況であっても、あきらめず信念に基づき、かつ奇跡を信じて事業を展開したことを思うと、私が資金繰りで奔走していることのなんと小さなことかと、自らを叱咤激励していました。また松下電器との提携のきっかけとなった1994年6月のSIDショウでは、サンプル品の動作がうまくいかずその展示が間に合ない時、機転を利かせて、少しのごまかしが有ったが素晴らしい画像を示すことができ、これが成功のきっかけを作ることになります。Never give up これほど私を震わせ勇気をもたらせる感動を得た瞬間はありませんでした。
日本では大学発の起業は非常に難しいといわれる中、世界では大きな夢とビジョンをもって成功を手にした起業家が多いことを思うと、我々起業家は今以上に夢とビジョンを持ち、起業の成功を導かなければならないと痛感しました。彼は信念に支えられたビジョンを持ち見事に会社を成功に導きました。研究を成果に、成果を商品化に、それは困難な道であり、決して容易い道ではなく、信念がなければ成し得ない、その信念をいかに持ち続けるべきか。このセミナーとラリー・ウェーバ氏との出会いで、今また、心新たに決意いたしました。
会社に戻ったこの日は久方に経営から離れて、わが社の研究開発に関わるビジョンの策定に夢を展開する熱き夜になりました。社会に対しても、わが社を応援いただいた人たちにも、かつ、わが社を支えてくれている社員並びにその家族に対しても、起業したことをお互いに喜び合えることができる日を夢見て、絶望からの脱出にしたいと思います。
(駐大阪・神戸アメリカ総領事館 広報部 資料より転記)
ラリー・ウェーバー Larry WEBER
元松下電器プラズマコInc.社長・元イリノイ大学教授
ベンチャー企業、プラズマを率いてAC 型と呼ばれる新方式のカラーPDP の実用化を成功させたパイオニア。PDP の発明者であるイリノイ大学のビッツァー教授とスロットー教授の元で、学生時代から一貫してPDP の研究に携わる。1975 年イリノイ大学から工学博士。90 年までイリノイ大学に在籍して助教授としてAC 型プラズマディスプレイの研究を推進した。一方、PDP の産業化を早くから志向し、87 年にベンチャー企業、プラズマコ(Plasmaco Inc.)を設立してCTO(技術担当重役)となり、カラーPDP 実用化のための技術を積み上げた。PDP に関して書かれた論文は40 篇以上、保有する特許は15 件に及ぶ。2000 年Karl Ferdinand Braun 賞、2002 年IEEE フェロー、2006 年IEEE よりDaniel E Noble 賞、2010 年全米家電協会(CEA:Consumer Electronics Association)殿堂入り、プラズマディスプレイに関する業績でSID(米国情報ディスプレイ学会)特別業績賞等多数受賞、同学会会長も歴任。

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数値的処理
- 2011-07-06 (水)
私は、幼いころからそろばんを嗜んでおりました。そのためか、何事もすぐに数値化し、それを足したり、引いたりしてそれなりに楽しんでおります。そろばんを嗜んだのは、先々のことを考えて資格を取得したわけではありませんが、物理の世界では、数値的処理が必須で、その処理次第で新しい現象を見出したりします。数字から見える感が物理の世界では必要です。分子軌道計算や全反射蛍光X線分析での数値処理、あるいは今進めています定量分析における数値処理はすべて、見えざる世界を見える世界に変換する処理と考えております。この過程で、数と、その組み合わせによる数値から見えるものがあり、それが感と結合する時に新しい世界を発見する時があります。
会社を経営するようになってからは、経理にもおおいに利用できますが、日常では、車を運転中に前を走っている車のナンバーからいろいろな組み合わせを楽しんだり、飲食店で追加注文をしながら食事をしていても代金を時折積算し、支払い時の金額を想定して楽しんだりしております。また、気持ちの上で、「割り切る」という言葉があるように、感情面でもなんらかの数値的処理をしようという機能が働くように思います。その場合、利点、弱点を計算し、プラスマイナス的に処理する。
と、すべてがそうであれば、悩むこともなく、人生も順調に歩んでいけるのでしょうが、やはり、そうはいきません。
ある日突然どん底に陥る、思うようにいかない、先方の返事を待つばかりでイライラする。特に最近、会社経営をするようになってから、このようなことが多くなりました。物理で使用するグラフは、なめらかな曲線を描きますが、この人生をグラフにすると、伸びている曲線が、突然0地点近くに落ち込む、横ばいになる、という表現でしょうか。
ふと、人脈を数値化する、グラフ化するとどうなるのだろう・・・と、考えてしまう出来事がありました。もう数年お会いしていない方から連絡があり、弊社への支援を申し出てくれました。その連絡で、横ばいしていた線が急に上昇するわけです。
7月7日は、たなばたです。恋人同士が年に1度会える運命の日です。それを365分の1日と言ってしまっては、なんと情緒のないことか・・・。
などと、他愛も無いことを思いつつ、数値化できないからこそ、割り切れないことも、苦しいことも、また、楽しいこともある。懐かしい方からの連絡で、かつての、何事も数値的処理をしてしまったのではないかという自分を懐かしくもあり、反省もあり、悩み多いこの日々に感謝しております。
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ドイツより帰ってきました
- 2011-06-23 (木)
2週間ご無沙汰しました。
6月7日からドイツで行われた全反射蛍光X線分析の国際会議に参加しました。この会議は2年ごとに国際委員がもちまわりで行っており、日本でも過去につくばと淡路で開催しました。全反射蛍光X線分析法は日本人のアイデアで確立された分析法で、日本で製作されて世界に供給されている装置です。その国際規格も日本人が中心になり制定作業を進めISOとして認定されました。このような日本人のアイデアから、製作、国際規格まで一貫して関わった分析装置は他に無いように思います。この日本人が深く関わった全反射蛍光X線分析の国際会議は日本のX線分析、X線分光に関わるメンバーの誇りです。この会議に参加し、2年毎とはいえ懐かしい人々とお会いし、全反射蛍光X線分析について、議論を交わすことは非常にうれしいことです。2年後になりますが次回は大阪で開催されることになりました。2年後にまた懐かしいメンバーとお会いして、有意義な議論ができることを楽しみにしております。加えてわが社がX線分析関係でますます社会貢献ができる規模に成長し、2年後の大阪で開催される全反射蛍光X線分析国際会議の開催に協力できるよう努めたく存じます。
その後、ドイツの取引先や、今後のヨーロッパ方面や共産圏への販売を促進させるために、ドイツの企業との販売提携について、打ち合わせを行ってまいりました。ドイツというと、アインシュタイン(Albert Einstein)の出身地でもあり、オーストリア出身のシュレーディンガー(Erwin Rudolf Josef Alexander Schrodinger)もベルリン大学で学び、数々の物理学者が現在の物理の世界を築き上げてきました。また、レンズとそれを用いた光学機械の素晴らしい発展をもたらしました。加えて、化学実験で利用されるリービッヒ冷却機、元素の発見に用いられ、現在でもスペクトル分析には欠かせない分光器の発明など、科学の発展に多くの実績があります。
そのドイツで、分析業界として、歴史ある提携先企業を訪ね、日本で言う関係先企業を見学させていただきました。組織などの説明を受ける、人と会う、食事をする。本来でしたら、こういう出会いは本当にうれしいものです。英語での日常会話は、「YES!」と、返事をしておけば、何かとうまくいくものですが、今回ばかりはそうはいきません。やはり提携するにあたり、企業間の契約を行うことになります。その契約を踏まえての会話になり、英語と、通訳を入れてドイツ語、日本語と・・・何よりも、テクノエックスという会社を背負っております。この件は、また今後も検討課題が多く、皆様のご意見を伺いながら、進めてまいります。
ドイツの企業で、弊社の装置を英語の説明入りのパンフレットらしきものを見せられ、その紙面からホームページであることがわかりました。なんと、私が出発してから、社員が気を利かせ、英語のホームページを発注し、完成していたのです。また、前回の「ガンジーの7つの罪」が英語入りだったことから、親しみを感じていただいたようです。今後、ブログも英語にしよう、と、そのときには、思いましたが、そうすると、更新が遠のきそうなので、また、日本語で書かせていただいております。
今回の提携先の企業の社長とは、9月の分析機器展でお会いする約束をし、分析機器展という次の目標に向かって、弊社一丸となって、開発研究を進めてまいります。また、海外でも震災について、話題となり、弊社として取り組むべき姿勢を考えております。今後とも、皆様方のご意見、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
ところで、帰国しましてから、メールの受信、情報検索などの必要性からスマートフォンにしました。まだまだ使いこなせていませんが、わがままなコンパニオンを調教する気分です。
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感銘を受けた言葉
- 2011-06-06 (月)
先日、知人より、紹介された言葉に感銘を受け、紹介いたします。
ガンジー 七つの社会的罪 (Seven Social Sins)
1.理念なき政治 Politics without Principles
2.労働なき富 Wealth without Work
3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience
4.人格なき学識 Knowledge without Character
5.道徳なき商業 Commerce without Morality
6.人間性なき科学 Science without Humanity
7.献身なき信仰 Worship without Sacrifice
人生70年近く、生きております。私は私なりに頑張ってまいりました。そして、今、この言葉を聞くと、「あたりまえ」のことだ、という思いと、本当にこの「あたりまえ」のことを実行してきたのだろうか?
「人格なき学識 Knowledge without Character」については、大学教授という立場から「学識経験者」と呼ばれたこともあり、そのとき、「人格」というものは、備わっていたのか?大学教授時代、大丈夫です。確かに自分の得た知識、それを学識というのであれば、その知識を人に伝える、指導する、ということにおいて、その学生の立場や持ち合わせている知識に応じて、指導してまいりました。それを私自身の「人格」として、あまり確かではない自信を持ちたいと思います。多くの学生を指導しているので、賛否もあるかもしれませんが。しかしながらあまりにもこの言葉は私の人生において重いです。人格を維持しながら学識を伝える。確かに社会的に「学識経験者と一般に呼ばれている教授」としての人格を兼ね備えての行動を考えますと、私がそれを実践したであろうかと思うと、実に不安であります。この言葉を知った以上、遅くではありますが、「人格なき学識」を唱えることが無いように残された人生を送りたいと考えます。
「人間性なき科学 Science without Humanity」について、疑問を持ち、それを追求する、探求する、それが科学の基本です。この追求する姿については、自信があります。そして、その追及できる環境を常に求めてきました。学位を取得したのは、東京大学ですが、大阪電気通信大学卒業、ということで、研究場所については少し辛いこともありました。そのときに、もしかしたら人間性を欠いたこともあったかもしれません。
振り返る、確かめる・・・この感銘を受けた言葉。この言葉に出会え、自分を見直しています。
この7つの罪、大学教授を退職し、今の会社を経営しなければ、きっと、味わえなかった「道徳なき商業 Commerce without Morality」。今、これから、私の成すこと、しなければならないこと、これを考え遂行できる機会を得たこと、そして、この会社を設立してから出会った方々に、心から感謝しております。ともすれば、「労働なき富 Wealth without Work」に流されていく自分を見つめつつ、これからも皆様方のご指導をいただき、「人間性ある科学」「道徳ある商業」を目標として尽力していく所存でございます。
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秋田県大館市訪問
- 2011-05-30 (月)
5月25日、秋田県大館市で、大館工業振興会 平成23年度通常総会にて講演をさせていただきました。
大館市は、澄んだ空気とのどかな田園風景も見られ、おおらかな気分にさせてくれます。自然を大切にし、共存している素晴らしい街です。日本全国、世界各地と出かけておりますが、街並自体を楽しみ、その中に立つ建物が心地よくさせてくれる地は他にはありません。また、経営者根性も湧いてきて、この土地で仕事ができる、弊社開発のエネルギー分散型蛍光X線分析装置が役に立つかもしれない、無限大の可能性を秘めていることで、自然に講演へと力が湧いてきます。
大館市の小畑市長が弊社にお訪ねいただいたことはすでにご報告しましたが、お迎えいただいた関係者の方々も「ホームページ拝見しましたよ」と、すでに旧知のようにお迎えいただきました。心から感謝です。また、到着後小畑市長をお訪ねし、再会を心から嬉しく思いました。1日目は移動、皆様方とのご挨拶、小畑市長との再会、講演、そして懇親会、と、過ごしましたが、懇親会では、講演の皆様方のご意見やご感想なども伺うことができ、本当に有意義な時間を過ごさせていただきました。
2日目は大館市の廃校になった建物を市でご利用になられているところなどをご案内いただき、市長が「リサイクルをサイクルさせる」とおっしゃっていた言葉を思い出し、その利用方法に学ぶところは大いにありました。無駄かもしれないものを無駄にしない、昨今の電力節電などでも、この気持ちを大切に人間の英知をフルに活用できる場であることを確信いたしました。
このご縁を大切に、また訪れたい、また市長とお話したい、という思いを抱き、秋田県大館市を後にしました。
先週1週間は、株主総会、秋田県大館市出張と多忙でしたが充実した時間を過ごしました。皆様のご支援の賜物です。心よりお礼申し上げます。
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近況報告
- 2011-05-23 (月)
先日、取引銀行からのご紹介で、会社経営者の方々と交流させていただき、その折、ブログをご覧頂いたという方のご感想をいただきました。関西人の表現が受けた、ということで喜んでおります。私自身は、大阪市北区本庄に育ちました。
19日に、大館市の小畑市長が弊社への来訪を受けましたが、その折、北区本庄に本社を置くニプロ株式会社が大館市に工場を建設された、ということで話題になり、二プロ株式会社が大きく発展される様子を知っていたことから話が弾みました。詳しい内容は、ホームページにご紹介しておりますので、ぜひご覧下さい。25日には、大館市で講演と装置のご紹介を行います。昨日、大館市でのJAのデモに合わせて、米中のカドミウム検出用の新型装置が完成しました。日本の食生活に欠かせない米の、食の安全に寄与できることを心から嬉しく思います。
さて、福島原発について、今になり3月被災当時のことが浮き彫りになっています。耳にするたび、少なくとも元大学で、原子力工学、放射線工学などの講義を担当したものとして、苦しい立場を痛感しております。原子力は原子の崩壊と反応を利用した科学の世界では、先端に位置する分野です。研究内容によっては、広くは宇宙においてもその崩壊や反応を研究することで、地球の発生、生命の起源などを解明することに役立ちます。しかし、今、この原子核の反応がとてつもなく、人知を超える大きな災害を引き起こし、人々に不安を与えています。
関西電力を含めて原子力発電関連に、多くの卒業生が就職し、原子力発電の建設などに携わってまいりました。原子力発電の設計には、多くの研究者が発案、意見を述べ、設計を手がけた友人もおります。私自身も大学時代には原子力発電所から常に配水される冷却水の元素分析装置の開発を行ったこともあります。常に安全を追求し、怠ったわけではありませんが、いつ、どこで、どのようにしたら、この災害を避けることができたのか、考えは尽きません。
明日24日は、弊社株主総会です。ここ数日、初めての配当その他の資料作りに追われておりました。経営者としての義務を果たすべく、株主総会に当たりますが、今ここで、装置開発者として、改めて安全への取り組みを再確認し、ご報告したいと思っております。
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経営者
- 2011-05-09 (月)
以前、まだ前職の教授だった頃、友人7人で北海道へ出かけたことがあり、ワゴン車をレンタルし周遊しました。そのメンバーのほとんどは会社経営者でした。
さくらんぼ狩りの800円で食べ放題「のぼり」につられて「さくらんぼ狩り」をすることに・・。友人の一人が「年も年やし、そんな食べられへん、なんか土産にしてや~」と、交渉。1人1パックをいただけることになりました。ところが、さくらんぼの木を前に、食べるは、食べるは、・・・楽しむ・・・小学生の遠足さながらでした。 次のウイスキーの生産工場では、試飲コーナーで、飲む、食べる・・・「やっぱり無料はおいしいなぁ。」と、言いながら、社員へお土産を買う友人。蟹のお土産物店では、「荷造り代?みんなで買うからサービスしてーやー」「みんな、買うやろ?ほら!サービスして!」関西弁で・・。関西人の私たちに勝てる北海道人が居るとは思えません・・・。
当時は、経営者というのは、こうも節約根性や交渉能力があるのか、ということに驚きました。今、自分が経営者となり、初めて社長を務めている友人の一言ひとことが、胸に響きます。経営者になった今、毎日まいにちが交渉事の連続です。少し、疲れたときに、北海道の一幕を思い出し、あの時の友人たちは、常に節約と交渉術を身に付けている、これこそが経営者の本質なのかもしれません。私も経営者の仲間入りをして弊社の社運を背負っているように、取引先の経営者もやはりその方の社運を背負って交渉に当たられている。負けられない、譲れない、いや、でもここは譲るべきか。事業を背負い、いかに自分が耐えられるか。今、何をすべきなのか、何が一番大切なのか、考えます。決して、平坦ではないこの道だからこそ、失うものもあり、得るものも大きい。
経営者としては、まだまだ未熟者で、駆け出しではございますが、今後も皆様方のご指導を受けわが社の発展を期待するところで有ります。今後もご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
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海外出張
- 2011-05-02 (月)
日本の技術は大変優れている、と、常日頃から思っています。その根拠ですが、私の周りの研究者のほとんどが、趣味も仕事も研究、という方ばかりです。研究会でお会いしたときはもちろん、懇親会や宴会などがあっても、「検出器が」「X線源が」「データが」「日本の将来の技術が」と話題が尽きません。
ところが、弊社の場合、どうしても海外から部品を調達しなければならい場合が多いです。日本国内での調達が困難なのは、もちろん製品として優れている、ということもありますが、実際活用することができる部材があまりないのです。その点海外のメーカーは数少ない注文にもこたえてくれ、安価で、かつ当社の要望を取り入れてもらえる、ということが海外からの部材調達の大きな要因です。
検出器を供給していただいているドイツの会社ですが、こじんまりしていることに驚きます。また、責任者と話をしていると、できることとできないことがはっきりしていて、返事が即決であったり、次期取引の内容が具体的に進展することができます。
おそらく、日本には、優れた研究者や技術者が多く存在しますが、取引になると、会社の意向であったり、上司の意見を尊重しなければならない、など、しがらみが多く、即決できない、お時間をいただきます、などとなってしまうのではないか、と思います。
先日、3日間、台湾へ行きました。台湾へは、枚方ライオンズクラブの姉妹クラブがあり、幹事の頃に何度か行ったことがありますが、今回は初めて営業目的です。研究目的で学会発表や研究者としての資材調達などは、なんら恐れるものではありませんし、研究者であれば、得意分野の研究内容を話していればいい・・想像してください・・・通訳を介しての営業マンです。
幸い、発注していた中国語のホームページが間に合い、少ない滞在日数では語れない表現も、カバーすることができたようです。今後の販路の可能性も開拓することができました。また、分析現場の必要な条件や、現状を伺い、弊社の製品に反映していくことができる、何よりの成果です。
弊社はこじんまりとはしておりますが、一味違う会社です。国内外に係わらず、社員一同、日頃の研究成果を製品へと発揮できる会社へと、成長させていく、そんな夢を持ちながら毎日を楽しんでおります。
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